御田植祭、田植え


 当日は、夏日となり暑い気温と強い日差しではあったが、篠津を渡る初夏の風が心地良く、御田植を奉仕するにあたっての気持ちを奮い立たせてくれた。というのも、田舎育ちの私がこの作業を体験するのは初めてのことであり、しかも前日は何を興奮したのか殆ど眠れなかったのである。
 神田には既に水も張られ土と程よく馴染んでおり、苗が植えられるのを待つばかりとなっていた。植苗の列を整えるために率先して神田に足を踏み入れたのは阿部幹事である。ニメートルの幅もあろう大型の器具を携え神田を一往復。まっすぐ進まなければならないところ、なぜか楕円を描く。続いて私がこれを引き継いで更に一往復。進む足取りは体重が二倍になったようなぬかるみで、やっぱり楕円。これを水牛役と呼ぶようである。
 ハウスから苗床を持ち出し一株ずつ桶に移し、いよいよ御田植開始。はじめは皆声も高々と近況を語り合ったり笑い合ったり、実に楽しげに作業を進めていたが、各自二列目の植苗ともなると賑やかであった話し声も止み、次第に溜め息と、「腰痛い」の嘆きの囁きへと変わっていった。いつかは終わるであろうことを皆ひたすら信じ念じていたに違いない。
 日も傾き定刻をはるかに過ぎた頃、ようやく神田一面に新緑あざやかな苗が風にゆれる光景を目にすることができたときには、えも言われぬ達成感を覚えた。
 貴重な経験をさせて戴いたことに感謝し、日照風雨もほどよく作用し、今秋の豊作を心から祈っている。
(以上、通信「ふみづき」第13号より転載 / 文責:草間孝廣)


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御田植祭   御田植祭

田植え   田植え



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